臨床開発職として働きたいけど・・・
- 製薬企業だけで募集してるの?
- 企業へのエントリー数はどのくらい?
- 就活の戦略を立てたい!
本記事は上記の疑問を解決できる記事です.
製薬企業で臨床開発に従事する
りきど(夫)です.
本記事では以下の内容について解説しています.
- 臨床開発職として働く3つのルート・違い
- 企業へのエントリー数の考え方・具体例
- 内定までの就活スケジュール
早速,確認していきましょう!
臨床開発職として働く3つのルート
「臨床開発職」として働きたい場合は以下の主に3つのルートがあります.
ルート1:製薬企業(メーカー)で働く
製薬企業(メーカー)の社員として臨床開発に従事するパターンです.
「臨床開発職」を目指す就活生の多くがこのルートを目標としています.
ルート2:製薬企業の子会社で働く
子会社のある製薬企業のみですが,近年は臨床開発業務を自社の子会社で実施している企業もあります.
この場合,「臨床開発職」の募集は親会社と子会社の両方で実施されていることが多いです.
ルート3:CRO で働く
それぞれの違いは?
それぞれの違いについては様々な考え方・意見があり一概に述べることは難しいです.
ここでは就活生の関心が高く,判断材料になりそうな情報を書いていきます.
あくまでも一般論です.
企業規模や企業制度,役職・能力などによって記載どおりにはならないこともあります.
仕事内容
製薬企業・子会社・CROの間でそれほど大きな差はありません.
製薬企業は新薬開発の構造上トップに位置しているため,最も業務範囲が広くなります.
そのため幅広く色々な業務にチャレンジできるのは製薬企業です.3企業内における分業が進んでおり,部署ごとの仕事が明確な場合は「幅広く」というわけにはいきませんが,内部異動などを考えると色々とチャレンジできるのは製薬企業です.
子会社やCROについても臨床開発におけるほぼすべての業務を担当できますが,会社規模や部署によっては幅がやや限られるでしょう.
ポイント
仕事内容は各企業で異なります.
自分がイメージする仕事ができるのはどこかという観点はしっかりと持っておきましょう.
仕事内容の確認では社員参加型の座談会などで質問してみることが最も効果的です.
参考
臨床開発に従事する場合,臨床開発モニターからキャリアをスタートさせる方が多いですが,モニター業務であれば製薬・子会社・CROのいずれでも従事可能です.
※ただし,製薬企業の中には臨床開発部門にモニターがいない場合もあります.
キャリアを形成する際に幅が広いのは一般的に製薬企業ですが,大手CROであれば製薬企業と同様に様々な業務にチャレンジできる環境が用意されている場合もあります.
また,製薬企業であっても外資系などの場合は日本法人でできることが限られることもあります.
結局のところ,企業規模や企業制度,役職・能力などによってまちまちです.
給与・福利厚生
製薬・子会社・CROはいずれも充実していることが多いです.
企業によりそれぞれですが,製薬企業が最も充実しているという印象です.
以下の例のように表面上ではわからない部分で差がつくことも多いため,実情は実際に勤務している社員の方に聞いてみるのが望ましいです.4給与や福利厚生ばかりを聞くのは避けましょう.
<製薬企業A>
・初任給:25万円
※ 給与とは別に住宅手当5万円支給.
→ 合計:30万円
<CRO>
・初任給:28万円
※ 手当は給与に含まれているため支給なし.
→ 合計:28万円
就職の難易度・募集要項
一般的な難易度は以下のとおりです.
製薬企業 > 子会社 > CRO
製薬企業
- 人気業界のメーカー(知名度がある場合が多い)
- 学歴・スキルの制限がある
(理系修士以上の学歴や英語力5TOEIC730点以上など) - 採用人数が極めて少人数
子会社
- 親会社と比較して競争率が若干低い
- 学歴・スキル制限の緩和
(学士以上で可能な場合があるなど)
CRO
- 採用人数が製薬企業と比較して多い
- 学歴・スキル制限の緩和
(学士以上が一般的)
上記の内容はレベルが高い中での比較です.
そのため,子会社やCROなら容易に就職できるということではありません.
関連
製薬企業における臨床開発職の難易度については以下の記事でより詳細に解説しています.
-
【臨床開発職の就活】臨床開発職を目指すには?
2021/10/9
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活用できる手段をしっかり確認!
この項目以降では比較的時間がかかる作業を解説しています.
就活は限られた時間の中で効率よく進めていくことが大切ですので,他に活用できる手段がないかは常に頭に入れて行動していきましょう.
手段の例
- 大学や研究室の先輩が使用していたデータはないか?
- 大学の内定者などに話を聞いてみることができないか?
- 友人と協力できないか?
- その他,参考情報が身近にないか?
企業のリストアップ
臨床開発職を募集している企業は多くあります.
業界研究も兼ねて,新卒を募集している企業の一覧を作成しましょう.
ネットで「製薬企業ランキング」や「CRO一覧」で検索し,大まかにリストアップした後で各企業HPなどを参考にして調べていきます.
- Excelを使って管理
・選考状況や募集内容をまとめることで,計画が立てやすくなる.
・業界・企業研究にそのまま活用できる.
・企業の追加・削除が容易にできる. - 企業の範囲は?
・国内製薬企業:売上高ランキングをもとに50企業程度あれば十分.
・子会社:上記の企業で子会社がある企業を調べる.
・CRO:ランキングや一覧をもとに企業をピックアップ. - 外資系製薬企業も調査する
・日本法人がある企業もあるため,こちらも要確認.
エントリー数を決めよう
企業をリストアップしていくと,製薬・子会社・CROを合わせて100企業近くまでいくこともあります.
すべての企業を受けることは不可能ですので,ここから受けたい企業を選んでいきます.
エントリー数はバランスが大切
エントリーが多いと対応に忙殺されて質の低下を招きますし,大手ばかりのエントリーでも危険です.
身近に内定を得ている先輩がいれば直接エントリー数や当時の考えを聞いてみましょう.
この場合は,当時の先輩の状況と自分を十分に比較してアドバイスや考えを鵜呑みにしないように注意しましょうね.6「実は超ハイスペック先輩だった」「無謀だったが奇跡が起こった」など,色々と想定されるからです.
エントリーで考えるべき要素
エントリー数を決める要素の例を記載します.
他の可能性や情報も踏まえ,総合的に判断してエントリー数を決めましょう.
- インターンシップ参加可否と結果
・インターン枠に入れているなど - 就活開始時期
・余裕あるスケジュールで就活を始めているか - スケジュール
・説明会や選考が重ならない程度か
・面接日程が集中しないか - 自信
・研究実績などの武器があり,自信がある
・英語力が非常に高い
・インターンで色々と経験している - 学歴
・旧帝大などのレベルの高い大学
・薬学系 or それ以外の理系か - 過去の例・周囲を参考
・先輩の経験を参考にする
・周囲の友人の考えを参考にする
具体的なイメージが知りたい方へ
イメージはわかりました.
情報は鵜呑みにせずに,しっかりと自分で考えていきます!
でも・・
具体例が知りたいです・・・
そうですよね.
それでは参考までに筆者の情報を公開しますね.
以下よりどうぞ.
就活スケジュールとエントリー企業
臨床開発職は就職難易度の高い職種であるため,リスクを低減させる対策が必要です.
具体的な流れは以下のとおりです.
Step.1 CROの書類選考や筆記試験,面接を受ける
・選考日程は製薬企業よりもCROの方が早い場合が多い.12志望度の高い製薬企業がある場合は,CROで感触を確かめて就活に慣れていくなど,戦略的に就活を進めていくことが求められます.
・CROを受けつつ製薬企業の選考を進める.
Step.2 CROの企業から内々定を得る
製薬企業の選考・結果判明まで正式な内定承諾を保留.13CROを目指す場合はここでゴールです.
・製薬企業の選考結果が判明し,面接日程を調整していく.
Step.3 選考を通過した製薬企業の面接
・希望する製薬企業からの内々定で終了.
参考
このスケジュールは臨床開発職を目指す就活生であれば誰でもやっています.
臨床開発職として働きたい場合に特化して記載していますが,リスクを低減させる方法としては一般的です.
おわりに:自身の希望に沿った戦略を!
本記事では臨床開発職を目指す就活生の戦略立てに関して情報をまとめました.
製薬企業の臨床開発職にフォーカスを当てていますが,以下の内容もご覧くださいね.
「臨床開発職」として自分らしく,楽しく働けるフィールドはどこか?
自分の気質や仕事に対する考え,価値観,キャリアプランに合致する企業であれば,そこが製薬企業であっても CRO であってもいいのです.自分が何を大切にしているかを知っていて,その考えと合う会社に縁あって入社できたらそれがベストだと思います.
就活を通じて自身について踏み込んで考える(=自己分析する)ことができれば,「臨床開発職」として働きたい理由や働くフィールドをどのように考えているかをしっかり伝えることができ,自分に対して真に合致する企業と巡り合える可能性が高くなるでしょう.